進化するリン低下薬

透析患者さんがいつも口酸っぱく指導を受ける、”リン管理”。リンの管理は、透析患者さんの生命予後に強く関連しているからなのですが、近年リンを低下させる薬として新たに、フォゼベル®が登場しました。

フォゼベル®は、従来のリン吸着薬と異なり、リンと直接結合することなく、リンの腸管からの吸収を抑制します。このことにより、リンを下げる薬の呼び方が、リン吸着薬→リン低下薬と変化しました。

それでは、これまでのリン低下薬について、その歴史を振り返ってみましょう。

透析が始まった当初は、水酸化アルミニウムが使用されていましたが、脳症や骨症を引き起こす可能性があり、1992年に禁忌となりました。

1999年に登場したのが、炭酸カルシウムです。現在も適応のあるの患者さんは多くみられますが、カルシウム負荷の問題があり、使用頻度は減っています。

2003年に塩酸セベラマーが登場しました。小生が腎臓内科医となった当初は、リン低下薬は炭酸カルシウムと塩酸セベラマーしかなく、これらを組み合わせることしか選択肢はない状況でした。セベラマーは使用錠数が多くなることしばしばで、便秘との戦いでした。

2009年に登場した炭酸ランタンは、実に画期的でした。少ない錠数ながらリンをしっかり低下させ、リン管理が一気に楽になった印象です。

2014年には鉄含有製剤が登場、リン低下と鉄補充を同時に行うことができ、保存期の患者さんにも実に重宝しております。

そして、2024年、フォゼベル®登場。強力なリン低下作用を持ち、1日2回の内服でOKの、すごい奴です。軟便に気を付けながら、上手に使用することができれば、リン管理におけるポリファーマシー対策にもなります。

それぞれ長所・短所のある、リン低下薬。おのおのの患者さんの状態にに合わせ、うまく組み合わせることで、良好なリン管理を目指していきたいと考えております!