「透析後の疲れが取れない」とお悩みの方へ。疲労感(ポスト透析疲労)を軽減する5つのコツと治療の選択肢

はじめに:透析後の「ぐったり感」は我慢しなくていい

透析治療が終わった後、「今日はもう何もできない…」とぐったり横になってしまうことはありませんか? この透析後の強い疲れは「ポスト透析疲労」と呼ばれ、多くの患者様が直面している切実な悩みです。

「透析をしているのだから、疲れるのは当たり前」「年だから仕方ない」と一人で抱え込んでしまう方も少なくありません。しかし、その疲れを少しでも和らげ、治療後の時間をより穏やかに過ごすための工夫はたくさんあります。

今回は、透析後の疲労感の原因と、今日からできる対策について詳しくご紹介します。

なぜ透析後に強い疲労感が出るのか?

透析治療は、体に溜まった余分な水分や老廃物を取り除くための大切なプロセスですが、同時に体には大きな変化が起きています。

  • 血圧の変化:数時間で数キロの水分(除水)を行うため、血圧が変動しやすく、体に負担がかかります。
  • エネルギーの消費:透析中の体は、老廃物の移動や循環の維持にエネルギーを使っています。
  • 急激な成分の変化:血液中の成分バランスが短時間で変化することで、脳や筋肉が一時的に疲れを感じやすくなります。

「疲れ」は、体が一生懸命に元の健やかな状態に戻ろうと頑張っているサインでもあるのです。

今日からできる!疲労感を和らげる5つの生活習慣

疲労感を少しでも軽くするために、日常生活で意識したいポイントを5つにまとめました。

1. 透析直後の「30分〜1時間」を大切にする

透析が終わった直後は、体が最も変化に順応しようとしている時間です。すぐに活動を始めず、自宅で30分〜1時間はゆっくりと体を休める習慣をつけましょう。

2. 中2日の「増えすぎ」を抑える

週末など透析の間隔が空く「中2日」に体重が増えすぎると、当日の除水量が増え、体への負担が跳ね上がります。塩分を控えめにし、のどの渇きを抑えることで、次回の透析がぐっと楽になります。

3. 透析中の「冷え」を対策する

体が冷えると血管が収縮し、疲労を感じやすくなります。ひざ掛けや靴下を活用し、リラックスできる温度を保つことが大切です。

4. 心をリラックスさせる時間を意識的に持つ

緊張状態は肉体的な疲れを増幅させます。透析中にお気に入りの動画を見たり、音楽を聴いたりして「リラックスして過ごす」ことも立派な疲労対策です。

5. ドライウェイト(目標体重)をスタッフと相談する

「最近、透析のたびにきつい」と感じる場合は、設定しているドライウェイトが現在の体の状態とズレている可能性があります。遠慮せず、こまめにスタッフへ体調を伝えてください。

身体への負担を抑える「オンラインHDF」という選択肢

当院では、通常の血液透析よりもさらに体に優しい「オンラインHDF」を導入しています。

オンラインHDFは、大量の補充液を用いながら濾過(ろか)を行うことで、通常の透析では取り除きにくい小さな老廃物まで除去できる治療法です。血圧が安定しやすいため、治療中の足のつりや、治療後の疲労感の軽減に大きな効果が期待できます。

「今の治療を続けていて、後の疲れがどうしても辛い」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

おわりに:あなたらしい毎日を取り戻すために

人工透析は、一生付き合っていく治療です。だからこそ、私たちは「ただ治療をする」だけでなく、その後の生活がどれだけ健やかで、笑顔でいられるかを大切に考えています。

「一生、自分の足で歩き続ける」ために。そして、ご家族との大切な時間を楽しむために。 疲労感や体調の不安など、どんな小さなことでも構いません。私たちスタッフにお気軽に声をかけてくださいね。

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